2025.01.21

 曇り空と天気予報が言っている。外に出ると、やはり曇り空だった。一つの星も見当たらない。けれど、月がうっすらと、思ったよりもはっきりと空に浮かんでいる。薄い雲。道を歩く、街灯の灯りがあまりにも輝いているので、闇の中にいるとは思えない。家々の灯りがちらほらと見える。この時間ならば、一日が始まっている人も多いだろうにと思う。少し眠れたから、体調は悪くない。でも、膝の具合が、全快にならないことが憂鬱に頭の中にぶら下がる。

 やっと、自分の時間が持てる日。終日、双紙の表紙画の印刷。試し刷り、一枚の和紙を四つに切り、試し用の用紙とする。そして、数日前に思いつきで買ってきた墨汁を版木にローラーで塗り試し刷りを行う。まったくダメ。ローラーに油がついていたせいもあるが、水滴のようになって印刷されてしまう。それはそれで、吹雪の風景に見えてとてもいいのだが、濃い黒と白い木や月というイメージが作れない。それに、和紙と膠が入った墨汁が密着してしまう。なので、これまでの油性の版画用絵の具で行う。そうしたら、危惧していた細い線も綺麗に白く浮き上がるので、これで大丈と、自分で自分に太鼓判を押す。それから、位置決めを行い、カッターマットの上にマスキングテープを貼り、用紙を終える。本番の刷りは、大理石のインク台に絵の具を入れ、ローラーで練り、一枚するごとに絵の具を足して行う。午後にかけて、昼食を挟み断続的に行う。途中、綺麗に擦れるものと、白い粒子の刷り残し生じるものがあることから、これは和紙の繊維の目が粗いものと細かなものがあることに気づき、細かいものを選んで刷りを行うようにしたところ、綺麗に刷りができるものが多くなる。この和紙での木版画の刷りを会得したような気がした。27枚の刷りをして一旦止める。

 夕、マルと散歩。暖かいせいだろう。多くの犬たちが歩いている。 西から北の空にかけて黒い雲が広がってくる。そこに虹が出ている。キラキラと光る虹ではなく、闇の中に溶け込んだような虹。綺麗。

 夕食前、残りの3枚の刷りを行う。


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